この世はなんだかこの頃とても不安定だ。出口の見えない新型感染症への対処、そしてウクライナで起きている俄かには信じられないような事態。社会は言葉を失い、誰も楽観的なシナリオが描けなくなってしまったかのようだ。でも、立ち止まるわけにはいかない。僕らは自分達の未来を自分達の手で開かなくては。
今年の学生作品の特長は、もうジャンル(学科)では括れないほどアウトプットが越境してバラエティに富んでいること。それぞれの学科で学ぶことは違っても、人に伝えたい想いからそれぞれが作品と向き合っていること。それゆえ、こうして一度に見渡すと、ひとつの共通点が見えてくるような気がする。それは「自分の作品を通して人に喜びを与えたり、社会をより良くしたい」という想いが込められていること。
幸いなことに僕らはツールとスキルと、それをどう賢く使うかの知恵を授かった。デザインで、クリエイションで、より良い未来を描こう。どんなに今の世の中が不安定であろうと、デザインやクリエイションにはきっとそんな力があるような気がしてくる。それぞれの視点で、それぞれのやり方で。僕らは希望をデザインする。