【清水均さん】
現在 SPEAC(東京) 勤務
担当に 兜町第7平和ビル 、SUPERNOVA KAWASAKI
(当時を振り返って)いつまでに何を決めるのか。設計者と施工者、事業者、多くの人が関わり、検討しながらようやく一つの建築ができあがることを感じれました。専門的なことを学べたこと以上に、プロフェッショナルな姿勢を社会に出る前に肌で感じられたことが貴重でした。私たち学生にも皆さん真摯に向き合って意見を聞いてくれましたし、おかげでカッコいい大人に近づきたいなー、という気持ちを社会に出た後ももてたように思います。また、空カンゼミから始まったものが、県の人や地域の人などいろんな人の共通の記憶になったことが、いま思えば感慨深いです。1人で完結できないところが、建築の一つの面白さや醍醐味なのかもしれないとも感じます。
(この経験が成長させてくれたこと)
現場を見たり、施工者と話すなかでわかったことも増えたのですが、同時に分からないことも増えていきました。そのまま竣工を迎えたわけですが、この経験に見合う自分にはなれてないなと感じていました。これはこの経験だけでなく、2年間の学生生活を通じて感じていたことでもあります。今日まで続く、この「分からない」の消化不良状態が建築の世界への好奇心を維持してくれたのかもな、と思います。この感覚が、東京での暮らしや、共に仕事をする多くの人々からも学びたい、色んな建築の見方ができる場で働きたい、と背中を押すきっかけの一つだったんだろうと思っています。
改めてありがとうございます。いろんな問いを投げかけて頂いたことが今日につながっています。
【錦織沙希さん】
現在IMU建築設計事務所 勤務
担当に 海士東の長屋 ほか
当時、建築のことはなにひとつ分かっておらず、コンセプトのみ理解していたのだなと今となっては思います。メンバーは6人でしたがコンペに向かう本気度も全員違い、(気分的なことも含めて)自分ができることをする、みたいな感じで、みんなそれぞれの個性を発揮してマイペースに取り組んでいたように思います。
今となって思うことは、雪が降ったときに「かまくら」になることを想定して設計し、雪の日に実際に想定していた姿が現れることが、すごいなと思いました。実務をしていて、自然を相手に風や光、雨、雪を読んで設計し、その通りになってくれることは本当に難しいと実感しているからです。チームだからできた深い考察に今更ながら感動しています。
当時の自分には、
根本的には何も変わっていないけど何年経っても楽しく建築をやっていること、
毎日一緒に学んでいるクラスのメンバーはけっこう素敵なメンバーだから毎日を大切にして、
と伝えたいです!
【森下友也さん】
現在 エコデザイン工房(広島市) 勤務
新築、リノベーションなど多くのプロジェクトに携わる
提案から実際に建物になる初めての経験をさせてもらったのがOGINAUでした。最初は、身近なところ(実家が三次の君田町)にトイレができる!!という簡単な動機から関わらせてもらうことになりましたが、本当に実物ができるまで行くとはその時は思ってませんでした。
当時の僕に、今の僕が声をかけるとすると一生に一度のことが起きるから もっとコミットしろ!! と声をかけると思います(笑)。実際のところ、メンバーにおんぶにだっこで、あっという間にコンペ提案当日になってあっという間に竣工式、、、
でも、その中でも勉強することは多くて 一番感じたのは一つの建物に対して、関わっている(関わってくれる)人がとても多いということです。見えていないところでも動いてもらっていた人はたくさんおられると思います。
そしてその一人一人が、どこかにプライドやこだわりを持って仕事をされていることということです。
ある人は、早く作業を終わらせるということにこだわりを持ったり、
ある人は、小さなおさまりにプライドを持っている大工さんだったり、、、、
そして、その一つ一つのこだわりが、一つのものを作っているんだなと感じました。
そして設計士という立場は、そのこだわりをうまくコントロールして出来上がるものがより良いものにしていくことが一番の役割なんだな、いま感じてます。実務をするようになった今だからこそ、OGINAUは貴重な経験でした。
OGANAUメンバーに入れてもらえたことに感謝感謝です。
現在 株式会社右田工業 勤務
当時の事で印象に残っているのは予算が無く屋根が全面ガラスから一部ガルバリウム鋼板になった事を覚えています。そこで違う材料を模索せずガルバリウム鋼板にしたことを後悔した事を覚えているし今も思います。当時に戻ったら考え直したいのはそこです。今の僕は設計士として建築には関わってはいませんが鉄骨鳶躯体工事で建築と関わっています。躯体の鉄骨はダイナミックであって伸びやかで躯体の持つ素直な美しさがあると思っています。
仕上げで隠れてしまう事がもったいないなと思う事があります。
それと、設計士として頑張っているみんなが誇らしいです。また会いましょう。
【増井和哉さん】
現在 MORK建築設計事務所 共同主催
当時の経験の中で印象に残っているのは、工事を進める過程でルーバーの実物大モックアップを製作してもらい、それを確認したときのことです。当時は図面上でしか考えられなかったことが、実物を目にすることで細かな角度や材質などを直接確認でき、考えていたことが形になっていく実感が湧いたのを覚えています。
この経験を通じて、図面だけでは見えない細部の重要性を実感し、より具体的にイメージしながら考える力が身につきました。実物を確認することで、設計と現場の違いを理解し、調整や改善の視点を持つことができるようになったと思います。考えていたことが形になっていく過程を体感したことで、ものづくりに対する責任感と達成感も深まりました。
「当時の自分に伝えたいこと」
頭で考えていることが、実物を見ると一気にリアルになる。適当にやってても、いざ形になると考えが変わる。その瞬間が結構大事だと思うから頑張って。
【國重奈乃加さん】
現在 MORK建築設計事務所 共同主催
当時のメンバーを見ていて感じていたことは、専門学校一年生で建築についてもよくわからず、コンペの意味すら理解していなかった私には、コンペで賞を取るというのは、手の届かない話だと思っていました。メンバーの皆が自分たちの可能性を信じてイキイキとしている姿を見て、単純に羨ましく感じていたと思います。そんな皆が最優秀賞に選ばれたことで、自分にもできるかもしれないと可能性を広げてくれたと思います。
今のみんなを見ていて思うことは、学生時代から見えていたそれぞれの核?芯?(ものづくりに対するアプローチや関わり方、そして人柄など)が、いい意味でそのままでいてくれることに安心します。個性豊かなメンバーだけど、その人らしさを受け入れるおおらかさがみんなにあって、そのおおらかさが君田のトイレにも、とても現れているなと改めて感じました。私の建築・デザインの基盤を作ってくれた人たち。そんなみんなが離れた地ではありますが、
各々に自分らしく存在してくれるだけで心強いです!これからもみんなの活躍を感じながら、私もみんなのように自分らしく、進んでいけたらいいなぁ!
やりたいことを
みつけよう!