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本校は、文部科学省の「高等教育の修学支援新制度」、社会人の学び直しを支援する「教育訓練給付金制度」の対象校です
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令和元年度卒業生へ式辞全文
2020.04.01
令和2年3月3日、コロナウイルス感染抑止のために当初予定していた会場を変更して学校内で行われることになった卒業式。感染防止策として簡素化された式では校長先生からの式辞が校内放送を通じて卒業生に語られました。

4月になり新たなスタートを迎えつつ様々な境遇に直面している方々にとって、改めて自分を励ますきっかけになれば幸いです。
式辞(令和元 (2020) 年度卒業証書授与式)

卒業される皆さん,卒業おめでとうございます。
新型コロナウイルスによる感染予防や拡散防止のために,やむなく,このような形で卒業証書授与式を行うことをご了解ください。

突然の事態にも拘わらず,冷静に対処している皆さんの姿に接して,校訓である「日々是前進」をよく実践し,この2年間で実力と共に,臨機応変に対応できる能力・態度も身に付け,逞しく成長したなと,感慨深く,また嬉しく思います。皆さんを含めて,本校の卒業生の総数は3,931名となりました。広島・高松・徳島・福山の穴吹カレッジグループ18校全体では37,324名となり,地域社会の持続的な発展を支える仲間が着実に増えています。

「卒業式」は,英語では一般にGraduation と言いますが,高等教育機関ではCommencement と言う場合も有ります。これには,「始まり」や「開始」の意味が含まれています。そこで,皆さんの次のステージが始まる節目に当たり,期待を込めて,餞(はなむけ)のことばを3点述べたいと思います。 

 一点目は,「専門職として,より高い知識・技能の習得に努め続ける」ということです。
 専門職には,自己の職業分野における高度で専門的な知識や技能を備え,高品質・高精度を叶えられる高い実践力が益々求められる状況にあります。皆さんは,本校で習得したデザインに関する知識・技能の基礎基本を土台にして,これから,より確かで,より高度な領域に向かって果敢に進んで行かれることでしょう。
 
 デザインは,ありとあらゆる物事と人との間に無くてはならないものです。人の営みの中で何事かに気付き,その本質を見極め,これからを予測して創造し,先を読みつつ対処するのがデザインの核心です。このような,創造性を伴う課題解決に必要な考え方がデザイン思考として一般性を持ち,イノベーションなどを通した社会の発展に新たな貢献をする時代に入っています。そのような社会で皆さんはプロとして活躍していくことになります。
 
 高い専門的な技能を身に付けて,常に安定した状態を保ち,条件の変化に対応できる力を持ち,これらを持続できる人がプロです。プロ野球で一時代を築いた野村克也氏は,次のように言っています。「当たり前のことを当たり前にやってこそ,プロ。更に,『万に一つのミスも許されない』という信念と,『プロとして恥ずかしい』という恥の意識を持つことも重要だ。自分が笑うために一生懸命にやるのはアマチュアだ。プロは,人に喜んでもらう,笑ってもらうために努力するものだ。『妥協』『満足』はプロとしての成長を妨げる。」と。
 
 皆さんはまだプロの卵です。一朝一夕には高いレベルに達することはできませんが,オリジナリティーを追求するとともに,プロとして高いレベルを目指すというベクトルと強い意志を堅持し続けて欲しいと願っています。信念を持ち,弛まない自己研鑽を積んでいかれることを期待しています。
 二点目は,「社会の変化に対応できる汎用的能力を自ら養い続ける」ということです。
 現代社会は目まぐるしく変化しており,特にデジタルテクノロジーの分野は目を見張るスピードで進化しています。技術が進化すれば社会も変化していきます。皆さんは,このような変化にも適応して生きていくことになるわけですから,専門分野の情報をいち早く知り,先を予測しながら自分の仕事を着実に進めていくことが求められます。
 
 今,「予測」という言葉を使いましたが,「予測,分析,条件を統一した比較」などといった能力は,デザインの分野のみならず全ての職業に必要な一般的な能力,つまり汎用的な能力です。個々の職業人には,自己の従事する職業における専門性の高度化とともに,複雑・困難な課題に的確に対応し解決できる能力と実践力を継続して強化していくことが必要です。
 
 また,発想を飛躍させる,人の気持ちに共感する,勇気を出す,リスクを取るなど,AIにはできない情意的な能力も一層重要になるものと考えます。日本経済団体連合会は,2017年11月に,企業行動憲章を改定し,「Society 5.0の実現を通じた持続可能な開発目標SDGsの達成」という表現を添え,民間セクターとしてのイノベーション創出を促していますが,そのためには,今申し上げた汎用的能力と高度な専門的な知識・技能の両方が必要です。この両方を同時に鍛え続け,我が国の発展を,仕事を通じて支えるという気概と高い目標を持って頑張って欲しいと思います。

 三点目は,「心や体の健康維持・増進に努め続ける」ということです。
 変化の激しい知識基盤社会を生きていくうえで最も大切なものは,やはり心と体の健康です。特に,心の健康は外からは分かりにくいものです。周囲の人からの理解や支援が得られず,誤解され孤立するようなこともあります。困った時に相談できる人を見つけておくとともに,自分自身で心身両面の健康管理に十分注意を払っていただきたいと思います。
 
 特に,心の健康を害する大きな原因に人間関係がありますから,職場の上司や同僚と良好な人間関係を築く努力をしてください。そのための行動を具体的に言うと,まずは,決められた約束の時間を守り,言われたことを根気強く精一杯頑張り,人から信頼されることです。そして,次の段階として,自分の置かれた立場で,言われたことだけではなく,代替案が提案できるようになることです。そういう仕事に対する誠実で責任感のある姿勢は,必ず誰かが見ていて肯定的に評価してくれ,結果として職場での安心感を得ることに繋がります。当たり前のことを当たり前にすることによって,あなたの居場所が確かなものとなり,安心が得られるとともに,あなたの実力が高められていくのです。また,そのような真摯で継続した行動は,自らを見えないものの価値や有難みに気付ける人に成長させてもくれます。身から出た錆という事態が起きないよう,このことを常に心がけて欲しいと思います。
 
 最澄は,「一隅を照らす,之すなわち国宝なり」と言っています。それぞれの立場で精一杯努力すれば,人は皆,何物にも代えがたい大事な国の宝だ,ということです。自分が今いる場所や立場でベストを尽くすことが,結果的に全体を良くすることにつながるということを意味しています。そういう人は,その場所になくてはならない人になっていきます。「日々精進,日々是前進」の精神で着実に一歩一歩積み重ね,心身共に健康で活躍されることを願っています。
 
 以上,穴吹デザイン専門学校の卒業生としてのプライドを持ち続け,専門職として大きく成長されることを期待して,3点述べました。
 卒業生の今後のご活躍とご多幸を祈念して,卒業証書授与式に当たっての式辞と致します。

  令和2年3月3日 学校法人穴吹学園 穴吹デザイン専門学校 校長  河 原 富 夫

(一部改編、役職者など当時のもの)
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