去る9月8日、フランスと京都を拠点に家具から建築まで領域を横断して創作活動を実践しているデザインユニット、2M26 (メラニー・ヘルスバク&セバスチャン・ルノー)を講師に迎え、国際的な視点からデザインを考えるレクチャーと家具づくりのワークショップを実施しました。本校で海外からのゲストにレクチャーをしてもらうのは初めてのことだったかもしれません。
メラニーさんとセバスチャンさんは、10年以上にわたる空間デザインの実践をベースに、現代社会の中で如何にデザインが人々の暮らしや都市の中で人間らしさを高めることに寄与できるか、という視点から、独特のアプローチでモノづくりを続けています。
彼らのつくるものは、世界中のどこにでも流通している一般的な杉板が使われます。日本だと間柱という建材の規格でホームセンターで入手できます。他にはジョイントのためのビスだけ。基本的に二人が使う工具は電動のドライバーと丸鋸のみ。特別な技術が必要なわけではなく、スーツケースひとつで、世界中のどこでも、家具と建築を二人と少人数のチームで組み立てていきます。
ただ、その一つ一つのパーツの寸法や角度、構造のための計画は非常に綿密にデザインされており、それがまた美しくあることは言うまでもありません。
これまでに、ふたりの故郷であるフランス・ナンシーをはじめ、ニューヨーク、東京などの大都市でも、家具と共に街を旅するプロジェクトなどで話題を集めてきました。
そのシンプルながら力強いメッセージに学生たちもデザインの役割や意義について考えさせられた様子でした。この授業で、学生たちが今後どう成長していくのか楽しみです。
ワークショップの最後には制作した家具を使ってピザパーティ!
これらの家具は、今後学校の中のいろんな場所に配置され、学校生活の中で学生の居場所として静かにその場をつくりだす存在になるでしょう。
2M26は、これから広島でのプロジェクトも次々とあるそうなので、お互い交流を続けていきたいと思います。今度は、みんなで小屋をつくりましょうか。楽しみですね。