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BRUCKE2019 スペシャルトークイベント 報告

就職

BRUCKE2019 スペシャルトーク
「自分らしい仕事場をつくる」

2019年10月18日(金)16:00~17:30
会場 広島YMCA国際文化ホール


デザインイベントBRUCKE2019の前夜祭的なイベントとして開催されたスペシャルトーク.ゲストは,サポーズデザインオフィスの吉田愛さん(卒業生),グラフィックデザイナーのオリシゲシュウジさん(卒業生),広島に移住し独特な画風で人気を集める素描家のshunshunさん,そして,捨てないパン屋として注目されているブーランジェリー・ドリアンの田村陽至さんの4名.建築家,デザイナーにアーティスト,そしてパン屋さん.このラインナップで「自分らしい仕事場をつくる」というお題で話を進めます.普段自分が学んでいる分野以外のゲストの話が,学生の視野を広げてくれるはずと願っての人選です.会場は全学科の学生に加え,講師の先生方や一般のお客様も交えて満員御礼!
まずは,トークに先立ち,今回の主催である穴吹デザイン専門学校のBRUCKE2019実行委員会学生代表が,デザインイベントBRUCKEの意義と役割,イベントへ案内の説明がありました.
いよいよ4人のゲストをお迎えして,スペシャルトークが始まります.トークの案内役をつとめる西尾先生がゲストのお名前を紹介し,そのあとは早速自己紹介へと移ります.今回,ゲストのセレクションにもアドバイスを頂いた関係で,吉田愛さんがまず同級生だったオリシゲさんを自己紹介のトップバッターに指名します.
オリシゲさんからは,現在とこれまでの仕事の幾つかを画像で紹介していただきながら,グラフィックデザイナーとしての自分のスタンスは,クライアントの持っている思いや願いを整えてあげることだという話がありました.実は,ゲストのおひとりである田村さんが営むパン屋ドリアンさんのロゴもオリシゲさんによるもの.その元となったパンの絵は田村さんが描かれたものだというエピソードもありました.自分の作風を極めるというより,クライアントの思いを形にする,そんな柔軟性が多様な作品群から見えてきました.
以降は席順で,素描家のshunshunさんの自己紹介.学生時代から社会人になってしばらくは東京で建築分野で学んで仕事をされていましたが,2011年の震災を契機にこれまでを振り返り,広島への移住と素描家として活動していくことを決意.素描家とは自分で命名した肩書で,社会人のころから自分の好きな空間をスケッチしてその思いを空間のオーナーに伝えていたというエピソードも披露されました.非常に落ち着いた見た目の印象からは少し意外なほど「自分が好きなもの」に情熱的にアプローチされるその姿と行動は今の学生にも大きなヒントがあるように思えました。
次の紹介は、「デザインとは直接関係ないんですけど...」と切り出しながら「捨てないパン屋」ドリアンの田村さん。しかし,デザイン以前の「生活」への視点から,捨てない、豊かになるために手を抜く、など、キーワードがどれも気になるものばかり。ヨーロッパ修行で驚いた働き方の違い、文化の違い、歴史の違い。田村さんは現代日本社会のどこか行き過ぎたサービスしかも少しズレているサービスや慣習に対して、自らの働き方で変革していこうという気概をお持ちです。その思考はあらゆる仕事において当てはまる現代の問題をひも解く実験のようでもあります。また、そんな一見ヘビーな話題を軽妙な笑いに富んだ話として語られるのも魅力でした。
自己紹介の最後は、吉田愛さん。東京と広島の2拠点で設計事務所の範疇を超えて、不動産、ホテルや飲食の運営、工務店の立ち上げなど、建築から派生する生活のあらゆるフェーズを自分たちで経験することで実績を上げ、これまでより多様なオファーが受けられるようにと拡張を続けるサポーズデザインオフィス。普通の建築家や設計事務所との違いを事務所のウリとして戦略的に考える視点は、自分たちの強みは何かを常に意識することにつながりますね。常に考えることが大事というメッセージのようでした。

それぞれの紹介を終え、学生から事前にもらっていた質問をきっかけにクロストーク.「19歳の時に将来の自分をイメージできていたか」.みなさんその時に自分に与えられた課題に向き合ったり,好きなことに夢中になったりするうちに人との出会い,新しい環境との出会いを通じて,いつの間にか現在に繋がっている,そんなお話でした.皆さん誰かのためを思って自ら培ったスキルで「相手を喜ばせる」触媒になっているという点も大切なポイントのように感じました.学生からはたくさん質問をいただいていたにも関わらず,時間の関係で幾つかしか取り上げられませんでしたが,ゲストの多様なお話の中に殆どの質問の答えは見つけられたのではないかと思います.最後には学生など若い人へのアドバイスもたっぷり頂けて、気付けばあっという間の1時間30分でした。

機会があれば,それぞれのゲストにまた学校に話に来ていただきたいですね.今度はもっと近い距離で!

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