担当講師コメント:
綾野さんの作品は結果からいうと、日本パッケージデザイン学生賞2023で大賞を受賞して、
APGA2023 グランプリと合わせて2冠となりました。
デザインは“独創”と“共感”のバランスですが、
この作品はどちらも高いレベルでした。
まず課題設定の見つけ方が独創的でしかも共感を覚えるものでした。
デザイン画のコンセプトによると、
「お風呂に入浴剤を入れることは、自分へのご褒美でもあり、気分を上げる行動ですが、
その事で、入浴剤の袋(パッケージ)がゴミになる」という気づきは大きな発見でした。
実作業としてのモックアップ制作でも、
単純な袋構造を使いながら、その形を台形にすることで、
船に見立てるアイデアはフレッシュです。
実際の入浴剤のパッケージをよく観察して、
その質感(ツルツルした素材・パッケージの裏面の銀紙)にもこだわり、
素材を探してきたり、商品には必須の成分表記を、船の意匠にかからない
底面に詰め込むというクレバーな選択もできています。
実はこの作品も昨年グランプリの作品と同様に、
一度日本パッケージデザイン学生賞2023に提出した後に
ブラッシュアップのために作り直されています。
そうした、自分の作品への客観視と違和感の修正は、きっと沢山の人に届くのだと思います。
文句なしのグランプリ作品でした。
関浦
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