2025年08月26日
建築学科・インテリアデザイン学科で非常勤講師を務める、衞藤 翔平先生が手がけた物件を見学させていただきました。
クライアントは30代のご夫婦。お二人が快適に暮らせる工夫が、随所に散りばめられていました。
ドアを開けるとまず広々としたエントランスが出迎えます。収納スペースも広く、お二人の靴や荷物をしっかりと納めることができそうです。
さらに中に進むと左奥にダイニングルームにつながる階段が現れます。
また、エントランスからはダイニングルームが見える小窓があり、下から見るとプライベート部分がしっかり隠せる角度ですが、上から見下ろすと来客された方の様子がうかがえる造りになっています。
足元をやわらかな灯りが照らす階段を昇ると、つきあたりは曲線を描く造りに。こうした境界線などをゆるやかな曲線にデザインすることを建築用語で「アール」というそうです。
よく見ると、空間にはたくさんの「アール」が。空間に柔らかさや優しい印象を与え、視覚的に広がりを感じられます。
照明器具も丸みを帯びたデザインで統一され、あたたかみを演出してくれています。
こうした曲線的なデザインは、クライアントのこだわりを取り入れているのだとか。
ダイニングルームの上部は吹き抜けになっており、実際の空間よりも広く感じられます。
さらに階段を昇るとお手洗い、脱衣所、浴室などの水回り設備が。脱衣所と隣接するウォークインクローゼットは、2階のダイニングルームからも階段で上がれるようになっており、日々の動線を考慮した機能的な造りになっています。
3階の吹き抜け箇所はリビングルームになっています。ここでテレビを見ながらくつろぐことができます。
大きな窓から差し込む光や、吹き抜け部分の開放感によって、ゆったりとリラックスできそうな空間が広がっています。
リビングルームの脇にある小さな階段を昇ると寝室へとつながります。寝室にも吹き抜けが望める窓があり、開放感に満ちています。
この部屋は、いずれご家族増える可能性も考慮して、あとから2部屋に分けられるような造りになっています。コンセントの差し口の数や場所も工夫されていました。
住宅の設計は、そこで暮らす人の生活スタイルによって千差万別です。今後数年、数十年と過ごす方の立場になって提案したり、クライアントの希望を取り入れつつも、時にはプロとしてアドバイスをしたりと寄り添う姿勢が大切だと衞藤先生はおっしゃいます。
物件見学をしていて驚いたのが、各部屋に「ドア」がないということ。境目を感じにくい造りになっているのに、間取りの工夫などによって、しっかりとプライベートは守られています。
また、階段が小分けに設置されているため、3階建てというのにも関わらず上り下りの動作をあまり意識しなくても済むような工夫も。これも、「空間を最大限に使いたい」「階段の上り下りが多くなってしまうのは避けたい」といったクライアントの要望を形にした結果です。
今回の見学を通して、衛藤先生のクライアントの立場に立ったきめ細やかな気遣いや、空間づくりのプロとしての技術を肌で感じることが出来ました。
こうした建築やインテリアデザインのお仕事に携わりたいと考えている方は、ぜひ一度オープンキャンパスに遊びにきて、デザインの世界を体験してみてください。
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