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【グラフィックデザイン学科】フルマニュアルカメラで撮影したフィルムを暗室で現像しました

ジャーナル

グラフィックデザイン学科ではいくつかの専攻に分かれてより専門的な技術を身につけることができるのですが、そのなかでフォト・ムービー専攻ではフィルムカメラと現像の仕方を一から学ぶことができます。

グラフィックデザイン学科では、いくつかの専攻に分かれてより専門的な技術を身につけることができるのですが、そのなかでフォト・ムービー専攻ではフィルムカメラと現像の仕方を一から学ぶことができます。10代の人にとって写真といえば、スマホやデジカメが生まれた時からあるので、フィルムとか現像とかいう言葉はある意味「絶滅危惧種」のような響きかもしれません。
でも、この学科では令和の今では希少価値の高いこの写真の技術を学ぶことができるのです。
今回お伝えするのはフィルムの現像を暗室作業で行うというもの。
指導してくれるのは本校で20年以上写真の講義をしてくれている髙田先生です。
写真のフィルムはレンズから通ってくるわずかな光で像を記録していくものなので、真っ暗の場所でないと生のフィルムが強い光の影響でせっかく撮った像が真っ白になってしまいます。だから写真を現像するときには暗室という場所で作業をしなければなりません。髙田先生は広島市の街中にこの暗室作業場を持っており、今日は学校を離れての校外学習のようなもの。いつもの教室で出席をとったあと、テクテク歩いて先生のスタジオへ向かいます。
約20分歩いて到着。直接案内してもらわないとたどり着きそうにない場所に昭和の喫茶店のような風情が漂う入口。中に入り早速手順を教わります。
前回までフルマニュアルのカメラを使って、フィルムの入れ方、撮影の手順として焦点合わせ方、絞りやシャッタースピードなど、すべて自分でしていくことこそ貴重な経験でした。
今回はいよいよ撮影したものが「写真」として目の前に現れます。
まずは暗室での作業を手際よくこなせるように明るい場所で練習をします。現像する薬品やフィルムを入れるタンクという小さな水筒のような容器から、フィルムを巻きつけるリールと言われる部品を取り出します。そしてフィルムの端を引き出しリールに巻きつけ、タンクに入れ、フタをするという流れ。
ここまで理解していよいよ暗室へ。
そこには理科の実験室のような場所で中央に町の豆腐屋さんにあるような大きな流し台、周りにはおそらく50年以上前につくられたプリント用の機械がいくつも並べてありました。
そして現像する薬品の酢酸のような独特のにおい。
先生からさっき教わったことを再度確認して、蛍光灯を消します。キャー!という悲鳴となぜか笑い声。
まったく何も見えない場所に瞬時に変わったので、誰かがどこかで発声しているけど目の前の30cm先すら見えない。こんな暗闇の緊張状態で作業をすすめるには、下らない冗談やおしゃべり、それに反応するクスクス笑い声がつきもの。約10分間、さっきの作業をしていきます。自分や友達が出す作業音と温度と匂いしか感じることができません!当然カメラでの撮影はできません。わずかな光でも生のフィルムが感光してしまうからです。
デジカメもスマホも撮影時には光を放ちますから、シャッターは押せないし、たとえ光を出ない設定にしてもそこには光がなく影もできないので何も写りませんー!
全員作業が完了したことを確認したうえで再び蛍光灯を点灯。
こんな目の前に友達がいたとは思えない距離間でしたが、元の世界に戻れたことの安心感。なんだかお互い距離が縮まったような気がするのは気のせいでしょうか。
さて、次なる作業は理科実験のような薬品投入です。
先生がタンクに入れていく薬剤を調合していきます。現像液、停止液、定着液。中でも停止液はとりわけ異臭を放ちます。水場での作業になるのでみんなエプロンをつけて。まずは現像液。タンクのフタについている投入口を開け、液を注ぎ入れます。それから約15分間、45秒ごとに中のフィルムに液がまんべんなくいきわたるようにタンクを振っては泡を除去する作業を14回繰り返します。水道水につけながら行うのは温度を20度前後に保って安定した化学反応をおこさせるためです。この攪拌作業をすることで撮影したフィルムが感光しないようにするのです。そして液を排出させ、2つ目の停止液を投入。現像液の化学変化が必要以上に進まないように、現像液による反応を止めるのです。そして3つ目の定着液の投入。フィルムの像が他の物質に触れても損傷しないようにします。そして流水で洗い流す。
こうしてようやく光や空気にさらしても問題なくなった状態の「ネガフィルム」となりました。あとは水分を拭き取り乾かします。
このような作業はデジカメが世の中に登場する前にはよく行われていたようですが、もはや普段目にすることができません。このスタジオでもプロのカメラマンや写真家の方が利用する程度で、一般の人は知りません。
フィルムカメラが旅行の必需品だった時代は街の現像屋さんやプリントショップがコンビニと同じくらいありましたが、フィルムを売っている店すらもはや滅多にありません。たかだか20年前の話なのですが。
なぜこんな前時代的なことでも取り組んでいるのか。髙田先生はこう言います。
スマホとパソコンがあれば誰でも写真の撮影、加工、プリントができる。一方で昔の技術や作業を知らない人が多くなると、写真やフィルムの保存は将来においてますます貴重なものになる。それを知っている人だけ他の人ではできない仕事ができるようになる。もちろん技術や便利さが逆行することはないし、学生たちはデジカメで仕事をすることになる。でもデジカメしか触ったことがないというのは、写真というものを扱う上で物事や成り立ちを知らずに関わってしまうということになる。少なくとも感覚的に知っているということが、技術や知識を習得するうえで必要なことだと。
今日の校外授業もいよいよ終盤。
乾燥した現像フィルムを専用の袋に入れるため、ハサミで適度な長さにカットして入れていきます。まるで職人さんのように自分の作品を愛でるかのように丁寧に作業をしていきます。こうして授業2コマ分3時間の特別な授業は終了です。
次の授業ではこれをスキャナで読み取り、パソコンにデジタルデータとして取り込んで行きます。このように本校ではグラフィックデザイン学科をはじめとして、本質を学ぶ取り組みをしています。

グラフィックデザイン学科1年生が、中本本店さまを訪問!
印刷の現場を見学することができました。

本校のグラフィックデザイン学科を卒業し現在絵本作家として多くの作品で世界のこどもたちを楽しませているつぼいさん。代表作:『たまらんちゃん』(金の星社),『おにぎりさんきょうだい』(教育画劇)のほか,マクドナルドのハッピーセット『さかなクンとうみのなかのがっこう』で作画を担当しています。

穴吹デザイン専門学校の過去の学生たちが手掛けた作品の中から、各学科の代表的な作品を厳選してご紹介します。

単なる学習の成果にとどまらない、若きデザイナーたちの発想力と表現力に富んだ作品です。

作品それぞれのデザインが持つ力をぜひご覧ください。

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